【レポート】「Media-JAWS 【第12回】渋谷開催!」に参加してきました #jawsug #mediajaws

【レポート】「Media-JAWS 【第12回】渋谷開催!」に参加してきました #jawsug #mediajaws

Clock Icon2023.04.26

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こんにちは、大前です。

4/25 に開催された 第12回 Media-JAWS について、私は運営メンバーをやっていたりもするのですが、いち参加者としてもレポートを書いていきたいと思います。

今回はワールドカップの配信でも話題になった ABEMA 様の Abema Towers(アベマタワーズ) をお借りしての開催となりました!私自身も Abema Towers さんにお邪魔するのは初めてだったので、非常にワクワクしていました。

また、会場の利用を快く了承していただき、かつ当日の運営サポートもしていただいた山中さん他関係者の皆様にはこの場でお礼を申し上げたいと思います。

イベント概要・タイムテーブル

第12回となった今回は会場提供もしていただいている ABEMA の山中さんから FIFA ワールドカップ生中継の裏話から始まり、AWS 小南さんからはちょうど先週ラスベガスで開催されていた 2023 NAB Show での AWS ブースの様子や、AWS Media Services のアップデート情報などをお話いただきました。また NAXA 占部さんからは AI を活用した放送技術に関する最新の取り組みなど、終始興味をそそられる話ばかりであっという間の 2時間となりました。

概要

  • ABEMA の紹介
  • FIFA ワールドカップ生中継でのAWS Media Servicesの活用について
  • AIを活用した放送技術スタートアップの制作現場改革について

Media-JAWS 【第12回】渋谷開催! #jawsug #mediajaws - Media-JAWS | Doorkeeper より引用

タイムテーブル

Timeline Title Speaker
19:00 - 19:15 Opening MediaJAWS 運営
19:15 - 19:50 FIFA ワールドカップ生中継でのAWS Media Servicesの活用について ABEMA 山中 勇成さん
19:50 - 20:00 ネットワーキングタイム
20:00 - 20:30 AWS Mediaサービスアップデート AWS 小南 英司さん
20:30 - 20:50 AIを活用した放送技術スタートアップの制作現場改革について NAXA 占部 竣平さん
20:50 - 21:00 クロージング MediaJAWS 運営
21:00 - 22:00 懇親会 みなさま

Media-JAWS 【第12回】渋谷開催! #jawsug #mediajaws - Media-JAWS | Doorkeeper より引用

イベントレポート

オープニング

HTB 三浦さんより、オープニングトークとして JAWS や Media-JAWS の紹介などがありました。今回も非常に多くの方にご参加いただきました。

それぞれ登壇者の紹介があったのち、本編スタートです!

FIFA ワールドカップ生中継でのAWS Media Servicesの活用について

トップバッターは ABEMA 山中さんです。本題に入る前のアイスブレイクとして、先週ラスベガスで開催されていた NAB Show に参加して遭遇したエピソードなどを紹介いただきました。 浴槽に閉じ込められたおじさんの声が響き渡っていたなどの、強烈なおもしろエピソードをご紹介いただきました。

そしていよいよ本題に入りますが、技術的な話は先日開催された ABEMA Developer Conference 2023AWS Summit Tokyo 2023 で色々とお話ししているので、今回は裏話的な部分にフォーカスを当ててお話いただけるとのこと、これはコミュニティらしい内容で楽しみです!

細かな技術的な話については上に記載したセッションなどで細かく触れているとのことなので細かいレポートも割愛しますが、生中継に向けて様々なデバイスでデバックを行なっている様子や当日の監視の様子などをご紹介いただき、とても面白かったです。

そしてここから裏話 7選をご紹介いただきました。詳細は Twitter の #mediajaws タグなどを追っていただければと思いますが、どれもワールドカップレベルの規模の配信ならではのエピソードばかりで非常に面白かったです。また、こういった問題を即座に対応している ABEMA さんの高い技術力も同時に感じる内容でした。

  1. MediaLive が一時的にダウンしたが、事前に CTO からの提言でマルチリージョン構成にしていたため配信を継続できた
  2. MediaLive のバグを踏み、黒い画面が 1フレームだけ配信されてしまう事象があった(観測できた人はラッキー?)
  3. 計測系ツールが度々不安定に
  4. 海外からの突然の DDoS ...だと思っていたら、Twitter の世界トレンドに乗った影響で世界中の BOT からアクセスがきたことが原因だった
  5. ネット配信しか対応していない地域からの視聴者が増えた影響で ISP 側が輻輳
  6. MPEG-DASH の仕様の影響でネガティブキャッシュが発生し、一部デバイスのエラーレートが増加
  7. ワールドカップ初戦でプレイヤーに問題が発覚し、A/B テストを経て 2日後には異なるプレイヤーに置き換えを実施

最後に、ワールドカップ中に SNS で話題になった HTML ソースに埋め込まれた ABEMA くんの話がありました。当時は「サッカーボールを持っている!」と話題になりましたが、実は開局当初から変わらずテレビを持っているだけだったのが、解像度が低くサッカーボールに見えてしまいバズったとのこと。笑

AWS Mediaサービスアップデート

続いて、AWS 小南 さんより最近の AWS Media Services のアップデートについて触れつつ、先日開催された NAB Show で AWS がどのような展示を行なっていたのかなどについてレポートをいただきました。私自身も NAB Show は気になっていましたが参加はできていないため、非常にありがたい内容でした。

小南さんのパートはスライドも公開されているので、ご興味ある方はぜひご覧ください。

AWS Free Kick Activation という、実際に参加者がフリーキックを行う様子を撮影した映像を AWS 上に伝送し、クラウド上でハイライトを生成してくれる展示の紹介があり、規模の大きい NAB Show ならではの展示で非常に面白いと思いました。(ちなみに小南さんはフリーキックをはずしていました)

先日発表された新機能である AWS Elemental MediaConnect Gateway についても紹介がありました。

また、全体を通して印象的だったのは、AWS が提供しているサービス(Media系)だけを使うのではなく、様々な機能を提供しているサードパーティ製品を組み合わせたり、選択することで AWS 上でメディアに関するワークロードを実現していく様な展示がメインになっている事でした。メディアに限った話ではありませんが、AWS が提供している機能だけを利用してアレコレやるのではなく、AWS のパートナーが提供している機能や製品をうまく活用することの必要性を改めて実感しました。

また、6/29 には毎年開催しているメディア勉強会が今年も開催されるとのことです!興味ある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

参考 : 【開催報告&資料公開】AWS メディア業界向け勉強会開催報告

AIを活用した放送技術スタートアップの制作現場改革について

最後は、3年ほど前に立ち上げた放送技術スタートアップである NAXA株式会社 の代表取締役である 占部 さんから、AI を活用した取り組みについてご紹介いただきました。

当日のスライドは以下にアップされていますので、詳細にご興味ある方は是非ご覧ください。

占部さんからは、2023年度に重点的に取り組んでいる 3つの領域についてお話しいただきました。

一つ目は字幕製作です。私は業界に明るくないため知らなかったのですが、字幕制作は字幕制作会社が存在し、そこに字幕制作を外注するほど、専門性がありまた属人性も孕んでいる要素であるそうです。

字幕制作専用のキーボードもあるそうです、すごい世界ですね。

ちなみに過去字幕に関わってましたが、リアルタイム字幕を入力する人の中には、こんな専用入力キーボード使って入力しておられる方もおられます。すごい速度で入れられるんです? https://t.co/KRt3xWFhgI #mediajaws #jawsug

— Eiji KOMINAMI ? (@eijikominami) April 25, 2023

NAXA さんはウェブブラウザ上で字幕を自動編集し、プレビューできる機能を開発中とのことです。

二つ目が音効支援です。私は「音効」という単語自体が初耳だったのですが、どうやら音響に関する仕事のことを音効と表現することがある様です。

音効とは?仕事内容やなるための方法 │ テレビ業界コラム:読売理工医療福祉専門学校 放送映像学科

放送業界では過去の素材や他社から借りた素材に混じっている BGM などをそのまま放送に載せるためには適切に許諾を得る必要があったりするのですが、許諾を得られない場合はその部分の BGM などをカットする必要が出てきます。

一方で、既存の BGM 除去ツールだと他の音にも影響が出てしまうなど、課題があるとのこと。

NAXA さんでは機械学習を利用したアプローチで、適切に BGM を除去できるようなアプローチを実施しているそうです。

また、AWS Transcribe に処理させる音声の前処理として NAXA さんが開発している技術を活用することで、AWS Transcribe の文字起こし精度をあげられることも期待できるとのことです。これは是非実現してほしいですね。

最後に、ショート動画制作です。ショート動画とは、最近流行っている Youtube Shorts や、TikTok などの縦長動画のことを指す様です。

ショート動画はイベント直後のアップロードが求められるなど、編集のスピーディさと正確さが求められるそう。

NAXA さんとしては、機械学習を用いて盛り上がっているシーンの自動検出や人物のトラッキングの自動化などを行い、よりスピーディなショート動画製作の実現に向けて活動しているとのことです。

続いて、デジタルプレイスメントに関する取り組みのお話もありました。私はデジタルプレイスメントをよくわかっていなかったのですが、撮影・編集後の映像に違和感なく広告を生成する技術の様です。すごい。NAXA さんが行なっている取り組みの詳細については、是非スライドをご覧ください。

放送業界の経験がない私にとっても、製作現場が抱える課題や、それに対して NAXA さんがどのようにアプローチをしようとしているのかが分かりやすく伝わってきて、非常に興味深く勉強になる内容でした。

懇親会

クロージング後はメインイベントである(?)懇親会を今回も開催しました。

今回の目玉は、北海道にはないと噂のタコベルを大量に仕入れ、参加者の皆様と共に楽しい時間を過ごさせていただきました。

おわりに

第12回 Media-JAWS の参加レポートでした。どのお話も非常に学びがありつつ面白く簡潔にまとめられており、今回もとても楽しかったです。

次回は岩手の方で開催されるとの噂もあるので、ご興味ある方は是非 Media-JAWS に参加してみてください。

Media-JAWS | Doorkeeper

以上、AWS 事業本部の大前でした。

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